冷えは万病のもと
~ 冷え症は漢方で改善できます~
「手足が冷たい」「下半身が冷える」「夏でも冷房がつらい」…冷えは、年齢や性別を問わず多くの方が抱えている悩みです。また「冷えは万病のもと」といわれ、様々な不調の根源となります。
冷えが症状の一つとして起こる病気もありますが、西洋医学では「冷え症」という病名はないので、検査結果に異常がなければ治療の対象にはならず、血行不良や自律神経の乱れと説明されることが多いです。
一方、漢方では冷えを単なる不快感ではなく、体からの重要なサインと捉え、「冷え症」として原因を探り、バランスを整えることで改善をはかります。
📍体温調節のしくみ
私たちの体は、脳や心臓、内臓といった生命維持に不可欠な体の中心部の温度(深部体温)を37℃前後に保つために、脳の視床下部が体温調節の司令塔になり、暑い時には発汗や皮膚の血管拡張により熱を放散し、寒い時には代謝の亢進や震えにより熱を産生しています。
寒い時に手足が冷えるのは、深部体温を維持するための体の防御反応であり、体の末端の血流を調節して、熱が逃げないようにしているためです。
⛄ 漢方で考える「冷え」とは
漢方では、体を温める「陽」のエネルギーと、体を冷ます「陰」のパワーがバランスをとり、体温調節をしていると考えます。冷え症は、外気(寒邪)の影響というよりは、体内の気血水のバランスや五臓の働きの失調により、体を温める機能が低下した状態であると捉えます。
体を温めるには、気・血・水が十分に巡り、陽のエネルギーを生み出す脾・腎の働きが元気であることが重要です。
🌿 冷えタイプ診断チェックシート
当てはまる項目に ✔ をつけてみてください。一番チェックが多いタイプが、あなたの主な冷えの原因です。
体質を知る目安としてご活用ください。冷えは体質だけでなく、生活習慣の影響も受けます。
A:気虚タイプ(エネルギー不足の冷え)
□ 疲れやすく、すぐ横になりたくなる
□ 朝がつらく、午前中に調子が出ない
□ 風邪をひきやすい
□ 声が小さい・息切れしやすい
□ 食欲があまりない
□ 冷えると体調を崩しやすい▶ 3つ以上 当てはまる方 → 体を温める力そのものが弱いため、冷えやすくなります。
B:血虚タイプ(血の不足による冷え)
□ 手足の先が特に冷たい
□ 顔色が青白い・くすみやすい
□ 立ちくらみ・めまいがある
□ 肌や髪が乾燥しやすい
□ 爪が割れやすい
□ 月経量が少ない▶ 3つ以上 当てはまる方 → 血の不足により、体の末端まで温かさが届いていません。
C:瘀血タイプ(血の巡りが悪い冷え)
□ 冷えと同時に痛みがでる
□ 肩こり・首こりがひどい
□ 生理痛が強い
□ 上半身は暑いが、下半身は冷える
□ シミ・くすみが気になる
□ 月経血に塊が混じることがある▶ 3つ以上 当てはまる方 → 血はあるのに巡っていないため、局所的な冷えが生じます。
D:腎虚タイプ(体の衰えによる冷え)
□ 腰やお腹が冷える
□ 足腰がだるい・重い
□ 夜中にトイレで起きる
□ 冷えが年々強くなっている
□ 疲れが取れにくい
□ 手足だけでなく体全体が冷える▶ 3つ以上 当てはまる方 → 体を温める根本の力が低下しています。更年期以降や慢性疲労の方に多く見られます。
🍵 冷えの養生法
診断チェックの結果はいかがでしたか?チェックが一番多かったタイプが「主な冷えの原因」ですが、複数のタイプに当てはまる方がほとんどです。
とにかく温める、だけでは改善しない場合もあるので、原因に合った養生法で冷えを改善しましょう。冷えが整うと、疲れ・睡眠・月経トラブルも楽になり、免疫力もアップします。
✅ 朝は1杯の白湯でスタート、朝食に温かいお粥を。胃腸に負担をかけないように、冷たい飲み物、生野菜サラダばかりに注意。温飲・温食は体を温めると共に、エネルギー(気)を効率よく作り出します。
✅ 血を消耗しないよう、 夜更かししないこと、スマホやパソコンで目を使い過ぎないように。また、赤黒食材(赤身肉、レバー、黒豆、クコの実、ひじき、なつめ、など)で血を補いましょう。
✅ 首・お腹(くびれ)・足首・手首の「4つの首」を冷やさないように。また、足湯や手湯だけでも体全体が温まります。
✅ 同じ姿勢を長時間続けると血流が滞ります。肩・腰回りをこまめに動かしたり、ストレッチやウォーキングで血流を促しましょう。
✅ ストレスも冷えの要因。緊張や感情の滞りは気滞を招き、体を温める気・血を全身に行き渡らずに冷えを感じます。 規則的な生活を心掛け、リラックスする時間をもち、深呼吸も取り入れてストレスを解消するとよいです。
✅ 冷えが強い場合や早く解消したいときには、漢方薬を使うこともお勧めです。特に腎虚の場合、養生だけで改善するのは難しく、補腎薬が有効です。専門家に相談しましょう。
🌿最後に
冷え症は、未病先防のための体からの大切なメッセージ。原因は一人ひとり異なり、対策も同じではありません。漢方は「なぜ冷えるのか」「どう整えればよいのか」を自分自身で探ることができます。
いろいろやっても解消しない場合は、ぜひ一度ご相談ください。体質に合わせた漢方薬や養生法を一緒に考え、ご提案します🌿
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