漢方と栄養学の融合
毎日の食事が「気血水」をつくりだす
漢方では、人の体は「気」「血」「水(津液)」で構成されていて、この「気血水」が十分に体内を巡っている状態が健康であり、逆に不足したり停滞すると不調をきたして病気に発展すると考えます。
そして、この「気血水」は主に飲食物から得られる栄養物質(水穀の精微)から生成されるため、漢方では「食養生」を重要視します。つまり“何を、いつ、どのように食べるのか”ということが「気血水」をつくりだすポイントになります。
一方で、私たちは学校で栄養学を学びました。漢方はよくわからない…、という方でも食事の大切さは知っています。
今回は栄養学の視点を交えて「気血水」の働きと「食養生」について解説します。
⭐五大栄養素とその働き
五大栄養素とは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルのこと。
私たちの体に必要なこれらの栄養素は、大きく分けて3つの役割があります。
1.エネルギー源になる
2.身体を構成する
3.身体の調子を整える
そして、栄養素ごとに主な働きがあります。
➤炭水化物(糖質);身体を動かしたり、内臓や脳の機能を維持するためのエネルギー源
➤タンパク質;筋肉、内臓、皮膚、髪、爪など体のあらゆる組織を構成する材料
➤脂質;エネルギー源、細胞膜の構成成分、ホルモンの材料、など
➤ビタミン;代謝をサポートする、抗酸化作用、血液や神経細胞の働きをサポートする、など
➤ミネラル;骨や歯の形成、酵素の成分、体内の水分バランスを整える、筋肉や神経の働きをサポートする、など
🌿「気血水」とその働き
「気」とは、生命活動のエネルギーのこと(目に見えない)。血液循環や新陳代謝などの生理機能、身体を温める、血と水を生成する、などの働きがあります。
「血」とは、血液によって運ばれる栄養成分やホルモンのこと。全身に栄養を供給し、潤す働きがあります。また、精神活動の基礎物質として、精神や情緒を安定させる働きがあります。
「水(津液)」とは、体内にある正常な水分のこと。リンパ液、消化液、尿、汗、涙、関節液などをさし、全身を潤し、身体を滑らかに動かす働きがあります。
🔀栄養素からみる「気血水」
漢方の「気血水」は概念に近いものですが、主に飲食物から得られる栄養物質(水穀の精微)から生成されるため、栄養素の働きに置き換えてみると、
➤炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル ⇒ 「気」を生成し、エネルギー源となり、生命活動を営む
➤タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル ⇒ 「血」を形成し、全身に栄養を供給し、身体を構成すると共に精神活動を行う
➤水分、ミネラル ⇒ 「水(津液)」を形成し、全身を潤し、身体を滑らかに動かす
という関係になるかと思います。すなわち、私たちが「気血水」を生み出すためには、栄養素が必要不可欠なのです。
🍚バランスの良い食事と「食養生」
このように「気血水」をつくりだすのは、毎日の食事です。そして「気血水」のバランスを整えるためには“バランスの良い食事”が大切です。農林水産省が提唱するバランスの良い食事とは、
主食;米、パン、めん類などの穀類を主材料とする料理で、主として炭水化物の供給源となる
主菜;魚や肉、卵、大豆製品などを使った副食の中心となる料理で、主としてたんぱく質の供給源となる
副菜;野菜などを使った料理で、主食と主菜に不足するビタミン、ミネラル、食物繊維などを補う重要な役割を果たす
を組み合わせた食事であり、
*エネルギー源となる炭水化物・脂質・タンパク質のバランスは、炭水化物50~65%、脂質20~30%、タンパク質13~20% を目標に
*エネルギーは摂りすぎも、摂らなさすぎも問題
*1日に必要なエネルギー量や栄養素量がとれていれば問題ない(年齢や性別により異なります)
としています。
漢方での「食養生」でも
*「穀」(穀類や豆類)を主体に、「畜」(肉や魚)、「菜」(野菜)、「果」(果物)をバランスよくとる
*節度を越えた飲食は、病を生じかねない
としています。そして、
➤旬のもの、その土地のものを食べる
➤よく噛んで食べる
➤食べる順番を工夫する
➤食事を楽しむ
を心がけること🌿 としています。
“毎日の食事が私たちの健康を左右している”ことを意識して、「バランスの良い食事」と「食養生」を実践しましょう🍀
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