漢方薬のゆりかな

女性のからだを整える「フェムケア×漢方」その③ ~更年期の不調と上手に付き合うために~

女性のからだを整える「フェムケア×漢方」その③

忙しい日々の中でつい後回しにしてしまう、自分のからだ。漢方の知恵を通じて、季節や体のリズムに寄り添いながら、“なんとなく不調”をやさしく整えるヒントをお届けします。

🌈更年期の不調と上手に付き合うために

更年期は多くの女性にとって、体調や感情に様々な変化をもたらす時期です。倦怠感、不安感、ホットフラッシュ、寝汗などの症状に悩む方も多いでしょう。現代医療では「ホルモン補充療法(HRT)」が主体で、メンタル症状に対しては向精神薬を使うケーズもありますが、副作用が出る場合や実施を控えるべきとされる場合があります。

そこで注目されるのが漢方によるフェムケアです。「漢方がとても効果的だった」という事例も増えています。

1. 更年期の月経不順

更年期とは、おおよそ 45〜55歳頃の約10年間 を指し、閉経をはさむ移行期です。この時期、卵巣の機能は徐々に低下し、これまで安定して分泌されていた 女性ホルモン(エストロゲン) が急に減少していきます。また、ホルモン分泌が不規則になるため、排卵があったりなかったりする「無排卵周期」が増え、
・周期が短くなったり長引いたりする
・急に月経が来なくなる
・経血量が極端に増える/減る
などの月経不順が起こり、月経パターンが予測しづらくなるのが特徴です。


2. 更年期に不調が起こりやすい理由

更年期は月経不順だけではなく、多岐にわたる不調が現れやすいです。

卵巣からのエストロゲン分泌が減少すると、脳(視床下部・下垂体)は「ホルモンが足りない」と認識し、これまで通り卵巣へ「ホルモンを出すように」指令を出し続けます。ところが、加齢により働きが悪くなっている卵巣はその指令にうまく応えられません。

  • この “脳と卵巣のミスマッチ” が自律神経に影響し、

  • ・ホットフラッシュ(急なほてり、発汗)
    ・動悸、めまい
    ・手足の冷え
    ・不眠、寝つきが悪い
    ・不安感、イライラ、落ち込み、涙もろさ

  • など、多様な症状を引き起こします。

  • また、エストロゲンには、肌や髪を潤す、骨を形成し骨量を維持する、悪玉コレステロールを減少させるという働きがあるため、エストロゲンの減少により、
    ・肌の乾燥
    ・髪のパサつき
    ・骨がもろくなる(骨粗しょう症)
    ・LDLーコレステロールの増加による動脈硬化性疾患
    ・内臓脂肪の増加

  • なども増えてきます。


3. そこで注目されるのが「漢方薬」

更年期は環境の変化が重なる時期でもあります。更年期の不調は「女性ホルモンの低下」だけではなく、仕事や家庭などライフスタイルの変化、生活環境や生活リズムの変化、体質の偏りなどが重なりあい、複雑な症状として現れます。漢方は、こうした “女性の変化” を丸ごと整える ことができる点が大きな特徴です。

  • § 気の乱れ(イライラ、情緒の不安定)

  •  → 加味逍遙散(かみしょうようさん);気の巡りをよくし、自律神経を整えます。

  • § 血の不足(動悸、めまい、不眠、不安感)

  •  → 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん);血を補い、全身に栄養を届けます。

  • § 血の滞り(頭痛、肩こり、のぼせ)

  •  → 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん);血の巡りを整え、冷えのぼせ、痛みや凝りを改善します。

  • § ほてり・発汗が強い場合

  •  → 知柏地黄丸(ちばくじおうがん);体にこもった熱を冷まし、潤いを補います。


4. 更年期ケアの要─「腎」を補う

更年期は加齢の過程なので、漢方では五臓の一つ「腎」と関わりが深いと考えます。「腎」は単に臓器としての腎臓ではなく、生命活動に必要なエネルギーを蓄え、生殖機能・免疫機能・ホルモンバランスを調整し、成長を支え、老化を緩やかにする働きをしています。

更年期は、この 腎の力(=腎精)が減ってくる時期でもあるので、めまい・のぼせ・足腰のだるさ・無気力・耳鳴り・髪の劣化・頻尿・骨がもろくなる、記憶力の低下など、腎の弱りと関連する症状も起こりやすくなります。

そこで重要なのが “補腎(ほじん)”、年齢とともに減少する“腎精(生命のエネルギーの源)”を補い、体の土台を整えるアプローチです。

  • § 補腎に用いられる代表的な漢方薬

  • ・六味地黄丸(ろくみじおうがん);疲れると手足がほてり、口が渇く人に。

  • ・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん);のぼせ、かすみ目、つかれ目、めまいが強いときに。

  • ・八味地黄丸(はちみじおうがん);腰から下が冷えて、重だるい人に。

  • ・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん);腰痛、しびれ、むくみが強いときに。


5. 西洋医学+漢方薬の併用がベストなことも

ホルモン補充療法(HRT)で急性症状を素早く和らげ、漢方で体質と自律神経を整える――この組み合わせは実際に多くの医療機関で取り入れられています。向精神薬が必要な場合でも、「気の巡りを整える漢方」を併用することで、気分の波が安定しやすくなるケースもあります。更年期は “どの治療が正解” というより、その人に合ったものを見つけることが大切 です。


🌿ゆりかな’s ワンポイントアドバイス

  • 更年期は人生の一部であり、決して病気ではありません。自分の体の変化を知り、最適なケアで上手に向き合いましょう🍀

  • ✅ 無理をしない

  •  → 頑張ることが悪化の要因に

  • ✅ 軽い運動やストレッチ、深呼吸や瞑想で気持ちを安定させる

  •  → 規則正しい生活を心掛けるなど、自律神経を整えましょう

  • ✅ 専門家に相談しましょう

  •  →  自分の状態を見極めるのは意外に難しいです。また、対話をすることで新たな気付きもあります。

  • 更年期には体だけでなく心のケアも大切です。漢方の力で穏やかな更年期を過ごしましょう🌷

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